科目名

 メカトロニクス(T)(U)

JABEE科目

科目CODE

172


学年・学科等名

 第5学年 機械システム工学科

担当教員

 岡田昌樹(8004)・横井直倫(8009)

単位数・

 2単位・通年

総時間数

 90時間(含:自学自習,中間試験)

教 科 書 名

 新・知りたいエアトロニクス(コガネイエアトロニクス研究会 著,ジャパンマシニスト社

 新版 システム工学通論(中村嘉平,浜岡尊,山田新一 著,朝倉書店)

補 助 教 材

 プリント(資料,図表など),テクニカルマニュアル(オリエンタルモーター)

参  考  書

 システム工学(須賀雅夫 著,コロナ社)


A 教育目標

機械の知能化を実現するメカトロニクスにおいて,要素技術としてのアクチュエータと管理・制御技術としてのシステム工学の手法を理解し,最適なメカトロニクス・システムを計画・開発・運用するために必要な知識と技術を身に付けることを目標とする。


B 概要

メカトロニクスとは,メカニズムとエレクトロニクスが融合された技術であり,要素技術には,これまで学んできた機械要素,機構,センサ,コンピュータ,情報に加え,本科目で学ぶアクチュエータがある。

 アクチュエータとは,人体に例えれば筋肉に相当する部分で,電気・油圧・空気圧などからエネルギーを 得て,回転運動や直進運動など,ものを動かす力を発生する装置である。本科目では電気系アクチュエータの代表である電動モータと,機械系アクチュエータの 代表である空気圧機器について学ぶ。

 また,これら要素技術をシステムとして管理・制御する学問にシステム工学がある。システム工学では, 基本概念と種々の技法概略を理解し,システム計画技法の代表例である予測技法,構造化技法,評価技法,管理技法,システムの最適化技法である線形計画法と 割当て法について学ぶ。

さらに,システム制御の根幹となるフィード フォワード制御,フィードバック制御を理解し,種々のシステムをモデルにより視覚的に表現する手法を学ぶ。応用例としては,各分野で多用されているファ ジィ理論,遺伝的アルゴリズム,ニューラルネットワークを具体的技術と関連付けて学び,理解を深める。


C 教育目標との対応

本校の

教育目標

機械システム工学科の

教育目標

教育プログラム

科目区分

教育プログラムの学習・教育目標

(JABEE基準:c, d, e)

B

(2)

基礎工学科目

社会技術系

B-3

(10%)

D-1

(50%)

D-2

(40%)


D 学習上の留意点

メカトロニクス,システム工学とも,技術社会の発展に伴ってその内容が日々進歩する学問である。常に最新の社会現象に結びつけて授業内容を理解するよう心がけていただきたい。

また,システム工学の内容の一部は技術者倫理に深く関連するため,技術者がシステム設計に対して負うべき責任を常に念頭におきつつ,各種システム設計技法の修得に努めていただきたい。


E 評価方法

 定期試験4回(80%),レポート・演習等(20%)にて評価する。


F 授業内容  講義+教室内自学自習60時間,自学自習30時間  総時間数90時間

授業項目

時間

内     容

教育

プログラム

1.ACモータ

(1)分類


1


ACモータを分類し,説明できる。

D-1

D-2

(2)原理

1

ACモータの構造と原理を説明できる。

(3)特性

1

ACモータの特性を説明できる。

(4)位置制御

1

ACモータの位置制御方式と各原理を理解し,制動特性を説明できる。

(5)選定方法

2

ACモータの選定手順と計算法を理解し,各種装置仕様に適したモータを選定できる。

2.ステッピングモータ

(1)構造と動作原理


1


ステッピングモータの構造と原理を説明できる。

D-1

D-2

(2)基本特性

1

ステッピングモータの特性を説明できる。

(3)選定方法

2

ステッピングモータの選定手順と仕様算出方法を理解し,適切なモータを選定できる。

(4)設置と配線

1

安全上の注意を理解した設置と配線ができる。

(5)運転

1

ステッピングモータとドライバの関係を理解し,運転手順を説明できる。

(6)コントローラの種類と特徴

1

ステッピングモータを運転制御するコントローラの種類と特徴を説明できる。

(7)メンテナンス

1

ステッピングモータとドライバのメンテナンス法やトラブル対策法を説明できる。

(前期中間試験)

2

電卓の使用を認める。


3.空気圧機器

(1)空気圧の基礎


2


大気圧と空気圧,空気の状態変化を説明でき,空気の流量を計算できる。

D-1

D-2

(2)コンプレッサ

2

コンプレッサと空気圧調質ユニットの構造を説明できる。

(3)制御機器

1

空気圧制御機器の種類と特徴を説明できる。

4.空気圧アクチュエータ

(1)エアシリンダ


2


エアシリンダの種類と特徴を説明できる。

D-1

D-2

(2)補助機器

1

ショックアブソーバ,ハイドロチェッカ,空油変換器の原理を説明できる。

(3)真空機器

1

真空と真空機器について,概要を説明できる。

5.空気圧の基本回路

(1)回路設計の基本


1


空気圧回路の分類ができる。

D-1

D-2

(2)出力回路と機器の選定

2

基本的な空気圧出力回路を理解し,機器の選定ができる。

(3)制御回路

2

基本的な空気圧制御回路を理解し,簡単な回路図を書ける。

(前期末試験)

6.システム工学の概要

(1)システムとシステム概念


2


システムとは何かを簡潔に説明できまたそれを様々な見方から分類することができる。

B-3

D-1

(2)システム特性の分析と総合

1

システム総合化のプロセスを説明できる。

7.システムズアプローチ

(1)システム思考とシステム工学


1


種々のシステム技法について説明できる。

B-3

D-2

(2)システム分析

2

費用の概念について説明でき,一対比較法やクリーの方法に基づいた代替案評価を行える。

(3)システム開発

1

コーヌコピアモデルについて説明できる。

8.システム計画技法

(1)予測技法と構造化技法


1


デルファイ法やKJ法などを理解できる。

D-1

D-2

(2)評価技法

2

マトリックス技法,関連樹木法を説明できる。

(3)管理技法

1

PERT,CPMに基づいたシステム管理について説明できる。

9.最適化技法

(1)システムの最適化


1


順序づけに基づき工期の最短化を図れる。

D-1

D-2

(2)線形計画法

1

線形計画法に基づき生産計画を最適化できる。

(3)割当て法

(4)動的計画法

1

1

割当て法に基づき,システムを最適化できる。

在庫管理の計算ができる。

(後期中間試験)

1

電卓の使用を認める。


10.システム制御

(1)システム制御の概念



2


フィードバック制御とフィードフォワード制御について説明できる。

D-1

D-2

(2)制御システムの特性

3

伝達関数,周波数応答法について理解し,連続制御系の構造と動特性を説明できる。

11.システムモデルと知的情報処理

(1)システムモデル


5


数学モデルについて理解し,図的モデル(信号モデル,フローモデル,フローダイヤグラム)によりシステム内の信号,情報,物の流れを明確化できる。

D-1

D-2

(2)知的情報処理

4

ファジィ理論,遺伝的アルゴリズム,ニューラルネットワークについて説明できる。

(学年末試験)

◆自学自習

・予習と復習

・レポート

・演習

・定期試験の準備

15


自学自習時間として,日常の授業のための予習と復習の時間,授業で習得した知識の応用による問題解決能力向上のためのレポート・演習の考察の時間,および定期試験の準備のための勉強時間をまとめて15時間とする。

B-3

D-1

D-2


G 関連科目

機械要素,機構学,電気工学,電子工学,センシング工学,制御工学


旭川高専2009