科目名

分析化学

科目CODE

192


学年・学科名

2学年 物質化学工学科

担当教員

宮越昭彦(8045)

単位数・

2単位・通年

総時間数

60時間(含:中間試験)

教 科 書 名

基礎分析化学 (新良 宏一郎 ほか共著、三共出版)

補 助 教 材

プリント

参  考  書

基礎教育 分析化学 (奥谷忠雄 ほか共著、東京教学社)

 

A 教育目標

分析化学は,物質の化学的特徴を定性的・定量的に表現するために確立された化学の基礎分野である。これは近年発展した機器分析法の基本原理を理解する上でも重要である。本講義では溶液内化学反応を主体とした基礎理論を取り上げ,受講者には化学平衡論(酸塩基平衡、錯体生成平衡,沈殿生成平衡、酸化還元平衡)に基づいた化学物質の定量的な考え方を修得させることを目的とする。

 

B 概要

前半は、溶液の濃度や電解質の活量、電離度といった分析化学の基本事項、および酸・塩基平衡の概念に基づいた中和滴定のしくみを学習する。後半は滴定反応に利用されることが多い酸化・還元反応(電極反応含む)と沈殿反応を取り上げ、化学平衡論に基づく滴定の考え方を学ぶ。

 

C 本校の教育目標との対応  3

 

D 学習上の留意点

授業内容に応じて適宜,練習問題を提示するので,積極的に問題を解く姿勢を持ってもらいたい。また,分析無機化学実験の内容と対応させて考えてみることが,基礎理論や溶液反応の諸現象を本質的に理解する上で大切である。毎回,授業の最後に講義の要点をまとめたプリントを配るので,復習するときに利用してもらいたい。なお,小テストは毎回実施する。

 

E 評価方法

  定期試験4回(70%),小テスト点(20%),学習態度(10%, 課題、レポートなど)で評価する。

 

F 授業内容

授業項目

時間

内     容

1.ガイダンス

2

授業の予定、進め方、評価方法がわかる。

2.水溶液と化学平衡

  電解質と活量

  有効数字

  溶液濃度の計算

  イオン強度

  活量、活量係数の計算  

12

化学平衡の基礎概念が理解できる。電解質の性質について説明できる。有効数字の丸め方を理解し、応用できる。溶液の濃度(重量百分率、モル濃度、規定濃度)について理解し計算ができる。イオン強度や活量、活量係数の定義を理解し計算できる。

(前期中間試験)

2

 

3.酸塩基平衡

  酸・塩基の定義、解離度とは

  共役と水の水平化効果

  pH,pKaの定義と計算

  強酸・強塩基のpH計算

  弱酸・弱塩基のpH計算

  緩衝作用と緩衝液のpH計算

  酸・塩基混合溶液のpH計算

 

  酸塩基滴定と滴定曲線

  中和指示薬の選定法

 

14

酸塩基の概念を理解し説明できる。水の水平化効果について説明できる。酸・塩基平衡の考え方に基づいて、計算式を導出し、pH値を計算(強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、緩衝液、酸−塩基の混合溶液)できる。緩衝作用について具体的に説明できる。

 

 

 

 

酸−塩基滴定曲線の特徴と中和指示薬の選定法を説明できる。酸−塩基の組み合わせにより適した中和指示薬を選定することができる。

(前期末試験)

4.酸化還元平衡

  酸化数の理解と算出

  イオン化傾向

  酸化還元反応式

  電極電位とネルンスト式

  平衡定数と電位の関係

  電池の表示法と起電力

  基本的な電池

  酸化還元滴定曲線

14

物質の酸化数が計算でき、酸化還元反応の方程式が組み立てられる。イオン化傾向と酸化、還元の関連性が理解できる。電池の基本構成を説明できる。ボルタ電池、ダニエル電池などの基本的な電池から標準水素電極のような実用的なものまで代表的な電池の基本構成を説明できる。ネルンスト式より起電力を求めることができる。酸化−還元滴定曲線の特徴を理解し平衡定数について説明できる。

(後期中間試験)

2

 

5.沈殿生成平衡

  沈殿生成と溶解度積

  金属の水に対する溶解性

  金属の系統的な分離法

  水酸化物沈殿と硫化物沈殿

  分別沈殿

  沈殿滴定法

14

沈殿生成と溶解度積の関係が理解でき、沈殿生成の判断ができる。溶解度積から分別沈殿の程度を定量的に説明できる。基本的な沈殿生成反応(水酸化物、硫化物など)について説明でき、定性反応の基本である分属の考え方を説明できる。代表的な沈殿滴定法(モール法など)について、その原理を説明できる。

(学年末試験)

 

G 関連科目  無機化学、分析無機化学実験、機器分析、環境分析

 

旭川高専2007