地域の問いを、
学生の創造力で
かたちにする。

旭川高専の「創造演習」は、地域の企業・自治体・団体の皆さまから
課題をお預かりし、学生が考え、試作し、検証する実践型の授業です。

創造演習の活動風景:学生と地域パートナーが議論している様子

About

創造演習は、旭川高専の3年後期から4年前期にかけて行う約1年間の実践型授業です。 学生は専門知識を活かしながら、実社会の課題に向き合い、解決策を考え、かたちにしていくプロセスを体験します。

従来の授業では「自分で問いを立てること」が難しいという課題がありました。 そこで、地域の企業・自治体・団体の皆さまから実際の困りごとや課題をお寄せいただき、 それを学生が取り組むテーマとして扱う仕組みを取り入れています。

学生が行うのは、単なるアイデア出しではありません。 課題の背景を丁寧に整理し、目的を問い直し、複数の解決策を比較検討したうえで、 外部の視点からフィードバックを受けながらプロトタイプ(試作品)をつくり、 実際に機能するかどうかを検証するところまで進めます。

この授業を通じて学生が身につけるのは、 課題を発見し、構造的に考え、手を動かして確かめる力です。 そしてその学びの土台には、地域の皆さまからお預かりする「本物の問い」が欠かせません。

創造演習の授業風景:学生がグループで課題を整理している様子

Process

パートナーの皆さまからいただいた課題に対して、
学生は以下のような流れで取り組みます。

  1. 1

    課題を受け取る

    パートナーから困りごとや課題の背景を共有していただき、学生が「何に取り組むか」を理解するところから始まります。

  2. 2

    目的や前提を整理する

    課題の本質はどこにあるのか、何のために解決するのかを、学生自身が問い直しながら整理します。

  3. 3

    複数の解決策を考える

    ひとつの正解に飛びつくのではなく、複数のアプローチを比較検討し、根拠をもって方向性を選びます。

  4. 4

    外部の視点で見直す

    パートナーや教員からフィードバックを受け、学生だけでは気づけなかった視点を取り入れて軌道修正します。

  5. 5

    試作して確かめる

    アイデアを図面や模型、動くプロトタイプとしてかたちにし、実際に使えるかどうかを検証します。

  6. 6

    必要に応じて改善する

    検証結果をもとに改善を重ね、より実用的な解決策へと磨き上げていきます。

Themes

創造演習で扱うテーマは、技術的な課題だけではありません。
集客、福祉、環境、広報、運用改善、体験設計まで、地域のさまざまな「困りごと」が対象です。

酪農業・環境
  • 有害野生鳥獣の追い払い
  • 牧場の獣害対策
  • 焚き火やキャンプファイヤーの灰の活用
  • サツマイモの収穫・保管・低温熟成
  • 虫の屋内侵入防止
  • ペレットストーブの普及
まちづくり・集客
  • 空港内の奥まったエリアの集客向上
  • SNSでシェアしたくなる街あかりイルミネーション
  • 建設業の魅力発信
  • マイナースポーツの見えにくさの解決
福祉・教育・暮らし
  • 児童デイサービスの個別支援計画案作成支援
  • 動物病院入院室の一時保護シェルター活用
  • コインセルフ洗車機を通じた健康づくり
  • Z世代向けギフトの仕掛けづくり
技術・ものづくり
  • キリンの枝付マシン
  • ペンギンの散歩に関する課題
  • 大型水中ポンプの燃費改善
  • 社員の勤怠管理ソフト
  • 木材端材の利活用

上記はこれまでのテーマの一部です。分野を問わず、さまざまなご相談をお待ちしています。

Case Studies

学生たちが課題にどう向き合い、何を考え、どんなかたちにしたのか。
グラフィカルアブストラクト(成果を1枚にまとめた図)とともにご紹介します。

野生動物による被害の整理と対策方向の検討

被害の種類や発生状況を整理したうえで、地域で実行可能な対策の方向性を複数案にまとめ、比較検討を行いました。

洗車機を通じた健康づくりの提案

日常の洗車体験に健康づくりの要素を組み込む仕組みを検討し、3段階のプロトタイプで検証を進めました。

個別支援計画案の作成を支える仕組み

児童デイサービスの現場で行われている計画作成の流れを整理し、支援者の負担を軽減できる仕組みを提案しました。

キリンの枝付マシンの設計検討

動物園の飼育環境を改善するため、キリンに枝葉を与える作業を省力化する装置の構造と動作方法を検討しました。

建設業の魅力を若者に届ける仕掛け

若い世代が建設業に持つイメージを調査し、魅力を伝えるための情報発信の方法やコンテンツを試作しました。

学校のブランドイメージに関する課題整理

学校が地域からどう見えているかを調査・分析し、ブランドイメージを構成する要素と改善の方向性を整理しました。

里親希望者への情報導線の設計

動物の里親を希望する方が必要な情報にたどり着けるよう、既存の導線を見直し、改善案を設計しました。

イルミネーション周辺の活性化イベント提案

街あかりイルミネーションの来場者を周辺店舗に誘導するためのイベント企画を検討し、効果の見込みを検証しました。

Benefits

1

学生と地域がつながる

学生が地域の現場に足を運び、当事者の声を聞く中で、お互いを知る機会が自然に生まれます。

2

新しい視点に出会える

日常業務の中では見落としがちな観点を、異なる専門分野の学生が投げかけることがあります。

3

課題を整理するきっかけになる

学生に課題を説明する過程で、ご自身の組織が抱える問題の構造があらためて見えてくることがあります。

4

地域貢献につながる

次世代の技術者を育てるプロセスに関わることで、地域全体の人材育成に貢献できます。

5

学生との接点が生まれる

採用活動や認知拡大の前段階として、学生に自社・自団体を知ってもらう自然な機会になります。

Cooperation

パートナーの皆さまには、以下のようなご協力をお願いしています。
学生が課題に向き合ううえで欠かせないご支援です。

課題や背景の共有

どんな困りごとがあるのか、その背景や経緯を教えていただきます。

初回の課題説明

学生に対して、課題の概要や現場の状況を直接ご説明いただく機会を設けます。

半年で5回程度の意見交換

学生の検討状況に対してフィードバックをいただく場を、月1回程度のペースで設けます。

必要に応じた現場見学やご案内

課題の現場を学生が実際に見ることで、理解が深まります。可能な範囲でのご案内をお願いしています。

課題が明確にまとまっている必要はありません。
「なんとなく困っている」「どこから手をつけるか分からない」という段階でも、
まずはお気軽にご相談ください。一緒に課題を整理するところから始められます。

地域の困りごとを、
まずはお聞かせください。

技術的な課題だけでなく、運用、広報、体験設計、情報整理なども歓迎しています。
「まずは話を聞いてみたい」というご連絡も大歓迎です。

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